
こんにちは。香川県高松市で咬み合わせと金属を使わない治療を専門とする「吉本歯科医院」院長の吉本彰夫です。
「金属アレルギーと言われたけれど、歯の詰め物が関係あるとは思わなかった」
「銀歯が溶けるなんて聞いたことがない。本当にそんなことが起こるのか」
「肩こりや頭痛がずっと続いていて、原因がわからない」
このようなお悩みで来院される方が、当院には非常に多くいらっしゃいます。そして、そのほとんどの方が「金属は硬いものだから、口の中に入れたら一生そのまま」とお考えになっています。しかし実際に口の中を拝見すると、銀歯のふちが黒ずんでいたり、アマルガムの表面に小さな穴があいていたりと、金属が少しずつ溶け出している跡が見つかることが少なくありません。
今回は、口の中の金属がどのように溶け出し、どのような流れで金属アレルギーにつながっていくのか、その仕組みを順を追ってお話しします。
口の中にはどんな金属が入っているのか
保険の虫歯治療で使われてきた代表的な金属は2つあります。ひとつは金銀パラジウム合金(保険の銀歯の材料)、もうひとつは歯科用水銀アマルガムです。
アマルガムは水銀を50%ほど含む詰め物で、昔の虫歯治療で入れた黒っぽい小さな詰め物がこれであることがあります。保険診療で認められているため、現在でも多くの歯科医院で使われています。
どちらも当時の判断としては一般的な処置であり、入れたこと自体を責める必要はありません。ただ、これらの金属は「口の中で溶け出す」という性質を持っています。ここを知る機会がなかった方がほとんどなのです。
金属はなぜ口の中で溶け出すのか
一番の理由は唾液です。唾液は電解液(電気を通す液体)として働き、金属を少しずつ溶かしていきます。金属を電池のように反応させてしまう、と考えるとわかりやすいかもしれません。
溶け出しを進める要因は、ほかにもあります。
- 果実や野菜、コーヒー、お茶など、飲食物による化学反応
- 上下の歯が噛み合ったときの摩擦。金属のイオンが唾液の中に広がります
- 時間の経過。年数がたつほど溶け出しは進みます
アマルガムだけでなく、金銀パラジウム合金も同じように溶け出します。銀歯のまわりの歯ぐきが黒ずんでくる、歯の根元が黒く見えるといった変化は、溶け出した金属が組織に染み込んだものと考えられます。
溶けた金属はどこへ行くのか
唾液に溶け出した金属イオンは、飲み込まれて内臓に吸収され、血流に乗って全身を巡ります。口の中の出来事が、口の中だけで終わらないのはこのためです。
体の中に入った金属イオンは、そのままでは体に反応を起こしません。金属イオンが体内のタンパク質と結合したとき、体はその結合物を「異常なもの」として認識します。
金属アレルギーのメカニズム
一度「異常なもの」と認識されると、体はそれに対してアレルギー性を持つようになります。そして再び同じ金属が体内に入ってタンパク質と結合すると、体はそれを攻撃し、皮膚や粘膜を壊してしまいます。これが「金属アレルギーのメカニズム」といわれている流れです。
- 口の中の金属が唾液や飲食物、摩擦で溶け出す
- 金属イオンが吸収され、血流に乗って全身へ運ばれる
- 金属イオンが体内のタンパク質と結合する
- 体がそれを異物と認識し、アレルギー性を持つ
- 再び同じ金属が入ると、皮膚や粘膜に症状としてあらわれる
この流れには時間がかかります。金属を入れてすぐに症状が出るのではなく、何年もかけて体にたまってから、ある日あらわれる「遅延型」であることが、金属アレルギーの特徴です。
金属アレルギーはどんな症状としてあらわれるのか
口の中のただれや炎症のように、金属が直接ふれる場所に出る症状だけではありません。全身倦怠感、肩こり、めまい、頭痛、イライラといった症状も、金属アレルギーが原因ではないかと近年研究が行われています。
当院にご相談いただく方に多い症状には、次のようなものがあります。
- 手のひらや足の裏に小さな水ぶくれ(ぷつぷつ)ができる
- 顔や手足の湿疹が、皮膚科に通ってもなかなか良くならない
- 舌がヒリヒリする、口の中で金属の味がする
- ネックレスやピアスで以前よりかぶれやすくなった
- 肩こり・頭痛・倦怠感が慢性的に続いている
- 治療した歯の歯ぐきが黒ずんできた
これらの症状があるからといって、原因が口の中の金属だと決まるわけではありません。ただ、口の中の金属を疑って皮膚科を受診する方はほとんどいらっしゃらないため、確かめないまま年月が過ぎていることが少なくないのです。
放っておくとどうなるのか
金属は溶け続けます。時間がたつほど体に取り込まれる量は増え、一度体内に取り込まれた金属は外に出すことが難しいといわれています。
さらに、溶け出して表面が荒れた詰め物と歯との間には隙間ができやすく、そこから細菌が入って詰め物の下で虫歯が再発することがあります。表面からは見えないため、気づいたときには歯を大きく削らなければならない状態になっていることもあります。
だからといって、すべての金属をすぐに外す必要があるとは限りません。大切なのは、今どの金属がどんな状態で入っているのかを知り、優先順位をつけることです。
当院が金属アレルギーの治療を始める前に確かめていること
まず今入っている金属と歯の状態を確認します
どの歯に、どの種類の金属が入っているか。表面の荒れや穴、黒ずみ、詰め物の下の虫歯の有無をレントゲンと口の中の確認で把握します。
次に、咬み合わせ(力のかかり方)を調べます
金属を外してセラミックなどに置き換えても、咬み合わせの力が偏っていれば新しい材料が割れる原因になります。どの歯に強い力がかかっているかを先に調べておきます。
必要な方には金属アレルギーの検査をご案内します
金属アレルギーが疑われる方には、当院の紹介状で香川県立中央病院皮膚科・高松赤十字病院皮膚科のパッチテスト(20項目)を受けていただけます。チタンの検査は徳島大学病院をご紹介しています。検査結果で反応した金属を確認してから、どの金属を外し、何に置き換えるかを決めていきます。
こんな方は一度ご相談ください
- 銀歯やアマルガムが入っていて、歯ぐきや歯の根元が黒ずんできた
- 皮膚科で金属アレルギーと言われたが、歯の金属は調べていない
- 手のひらや足の裏の水ぶくれが繰り返しできる
- 口の中で金属の味がする、舌がヒリヒリする
- 肩こり・頭痛・倦怠感の原因がはっきりしない
- 昔入れた黒っぽい小さな詰め物が何の材料かわからない
- 金属を外すべきか、そのままでよいのか判断がつかない
ひとつでも当てはまる場合、原因は皮膚や体質だけではない可能性があります。
この記事のまとめ
✅ 保険の銀歯(金銀パラジウム合金)やアマルガム(水銀を約50%含む)は、唾液・飲食物・噛む摩擦によって口の中で少しずつ溶け出します。
✅ 溶け出した金属イオンは血流に乗って全身を巡り、体内のタンパク質と結合します。
✅ 体がその結合物を異物と認識し、再び同じ金属が入ったときに皮膚や粘膜を攻撃するのが金属アレルギーの仕組みです。
✅ 口の中のただれだけでなく、倦怠感、肩こり、めまい、頭痛、イライラも関係が研究されており、何年もたってからあらわれる遅延型です。
✅ すぐにすべて外すのではなく、まず金属の種類と状態、咬み合わせ、必要に応じたパッチテストで現状を確かめることが第一歩です。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 金属が溶けるといっても、目に見えて減るわけではないですよね。
A. 肉眼で減ったとわかるほどではありませんが、表面の荒れや小さな穴、まわりの歯ぐきの黒ずみとして跡が残ることがあります。溶け出しているかどうかは、口の中の確認とレントゲンで見当がつきます。まず今の状態を確かめることから始めましょう。
Q2. 金属を避ける食事やうがいで、溶け出しを防げますか。
A. 果実や野菜、コーヒー、お茶などは化学反応を起こす要因のひとつですが、それらを避けても唾液と噛む摩擦は止められません。自己流の対処で溶け出しを止めることは難しいため、原因となっている金属の状態を確かめるほうが確実です。
Q3. 症状が出ていなければ、放っておいても問題ありませんか。
A. 金属アレルギーは遅延型で、数十年たってからあらわれることがあります。また、溶け出した詰め物の下では虫歯が再発していることもあります。放置してよいかどうかは、レントゲンで状態を確かめてから判断することをおすすめします。
Q4. パッチテストはどこで受けられますか。費用や日数はどれくらいですか。
A. 当院の紹介状で香川県立中央病院皮膚科・高松赤十字病院皮膚科のパッチテスト(20項目)を受けていただけます。皮膚科での保険診療となり、判定のために複数回の通院が必要です。詳しい日程は皮膚科でご確認ください。まずは当院で口の中の金属を確認し、検査が必要かどうかを一緒に判断します。
Q5. 他の歯科医院で入れた金属について、相談だけでも構いませんか。
A. もちろんです。前の歯科医院の治療は当時の判断として一般的な処置だったと思われます。当院では、どこで入れた金属であっても、まず種類と状態を確認するところから始めます。いきなり外す治療に進むことはありません。
歯の金属アレルギーでお悩みの方へ
「金属アレルギーと歯の詰め物の関係を確かめたい」「銀歯のまわりが黒ずんできて不安」
香川県高松市をはじめ、徳島・愛媛・高知など四国各地から金属アレルギーのお悩みを抱えた多くの患者様が、当院にご相談にいらっしゃいます。
当院では、今入っている金属の種類と状態、咬み合わせの力のかかり方、必要に応じた皮膚科でのパッチテストの結果を確認してから治療計画を立てます。削る量を必要最小限におさえ、再発を予防し、体に合う材料を選ぶことを大切にしています。
院長の私は、(一社)日本歯科専門医機構認定の補綴歯科専門医、および(公社)日本補綴歯科学会認定の補綴歯科指導医として、咬み合わせと材料の両面から診断にあたっています。
どうぞお一人で悩まずに、ネット予約または無料メール相談よりお気軽にご相談ください。


院長プロフィール
吉本歯科医院 院長 吉本彰夫
九州大学歯学部卒業
岡山大学大学院 歯学博士(平成17年3月)
(一社)日本歯科専門医機構認定 補綴歯科専門医
(公社)日本補綴歯科学会認定 補綴歯科指導医
咬み合わせと補綴(入れ歯・被せ物・インプラントなど)を専門分野として、日々の診療にあたっております。
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