歯の神経を取ったはずなのに、なぜか痛い|香川県高松市で金属を使わない歯の治療

歯の神経を取ったのに痛い原因|香川県高松市の吉本歯科医院

こんにちは。
香川県高松市のかみあわせ専門歯科、吉本歯科医院の吉本彰夫です。

今回は「歯の神経を取ったはずなのに、なぜか痛い」「治療後に金属アレルギーを起こさない方法が知りたい」と来院された患者さまのお話をもとに、皆さんが誤解しやすい“抜髄後の痛み”の原因についてお話します。

このケース、実は本当に多いんです。
神経を取ったからもう痛みはないはず──そう思っている方、実はかなり多いのではないでしょうか?

「神経を取ったのに痛い」理由はシンプルです

まず知っていただきたいのは、歯の神経って、単純な1本の線のようなものではないということです。

下のイラストのようなシンプルな構造ではないということなんですね。

歯の神経を取ったはずなのに、なぜか痛い
実際には、蜘蛛の巣のように張り巡らされた非常に複雑な網目状の構造をしています。

歯の神経を取ったのに痛い原因|香川県高松市の吉本歯科医院

つまり、私たち歯科医師が「神経を取る」と言っても、それは“全部をきれいに取り除く”ということではありません。
人の手で完全に取りきることは、構造上、不可能に近いのです。

顕微鏡で確認された例では、歯の根の先に500もの神経の入り口が確認されたケースもあります。

1本の歯にそれだけの数があるとなると、完璧に処置するのは現実的ではありませんよね。

マイクロスコープを使っても限界はある

私たちもマイクロスコープを用いて、できるだけ多くの神経の入り口を見つけて処置しています。
しかし、それで見えるのはあくまで“入り口”だけ。

トンネルの中に何があるかまでは、分からないのです。
特に奥歯──例えば第一大臼歯(6番目の歯)などは、保険診療上は3本の神経しか認められていませんが、実際には4本目、5本目が見つかることも多い

つまり「治療したつもりでも、見つけられていなかった」というケースは珍しくないんです。

曲がった根には、まっすぐな器具は届かない

さらに、歯の根の形も個人差があります。
根がまっすぐならまっすぐな器具で対応できますが、曲がっている場合は厄介です。

無理やり奥まで器具を入れようとすると、途中で穴が開いてしまう危険性もあるんです。


この穴から細菌や薬が漏れ出してしまうと、せっかく歯を残すために行った治療が、逆に抜歯という結果に繋がってしまうことすらあります。

そのため、「ここまでが限界」と判断して、あえてそれ以上は処置しないこともあります。
完璧を目指しすぎて逆に悪化させてしまっては元も子もありません。

歯の中の神経だけが痛みの原因じゃない

ここまでのお話は、歯の“中”の問題。
でも実は、痛みの原因は歯の“外”にもあります。

歯の周囲には「歯根膜」という組織があり、さらにその外側には骨、そして全身の神経とつながる経路があります。
つまり、神経を取ったとしても、これら周囲の組織が刺激を受けていれば痛みは続くんです。

生きている歯と死んでいる歯では、感覚がまったく違うのはそのためです。

「神経を取ったからもう元どおり」とはならない。
感覚が変わったと感じるのは、むしろ正常な反応なのです。

痛みの正体は「免疫と細菌の戦い」

では、なぜ神経の治療後に強い痛みが出るのか?

それは、体の免疫システムが細菌と戦っているから。
この戦いの最中、体は“痛み”や“熱”という形で反応を示します。

風邪をひいて熱が出るのも同じ原理です。
つまり、痛みがあるというのは、まだ“戦いの真っ最中”というサイン。

ここで強い痛み止めを使いすぎると、体の免疫反応を抑えてしまい、かえって治癒が遅れる場合もあります。
バランスが大事なんです。

強い薬を使えば一時的には楽になります。
でも、その分、免疫の働きを弱めてしまう。
だからこそ、私たちは「何を優先すべきか」を見極めながら治療方針を決めています。

歯の神経治療は「完璧にはできない」ものと知ってほしい

ここまで読んでくださった方なら、もうお分かりだと思います。
歯の神経治療というのは、実は非常に繊細で難しく、完璧な処置は人の手では不可能に近いということ。

では、どうすればいいか?

答えはシンプルです。
できるだけ歯の神経を取らなくて済む治療を選ぶこと。

そして、どうしても神経の処置が必要な場合は、
「バイ菌をしっかり殺すこと」
「薬を確実に届かせること」
これを最優先に治療していくこと。

吉本歯科医院では、4本目・5本目の根までを常に意識して診療しています。
「見つけようという姿勢」を持っていなければ、見つかるものも見つかりません。

まとめ|高松市で金属アレルギー対応&精密根管治療なら

歯の神経を取ったのに痛みが続く──
その原因には、神経の取り残しや、歯の外側にある神経・骨への刺激が関わっていることが多くあります。

さらに、神経を取った歯は生きている歯とは感覚が違うため、「なんか変」「なんか響く」という違和感があって当然なのです。

そして、根の治療は一発勝負ではありません。
1回目は簡単でも、2回目・3回目になるほど難易度は上がります。

ですから、できるだけ歯の神経を取らなくても済むような予防治療が大切ですし、
万が一、抜髄が必要になった場合でも、なるべく精密な治療を行うことが非常に大切なのです。

香川県高松市で、金属アレルギー対応の歯科治療や根管治療に不安をお持ちの方、
ぜひ一度、吉本歯科医院にご相談ください。

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吉本彰夫

香川県高松市の【かみあわせ専門】吉本歯科医院の院長。 「できる限り歯を削らない・抜かない治療」を信条に、四国全域から患者が訪れる歯科医師。歯の土台となる「骨」や「噛み合わせ」を重視した精密な診断と治療を行う。特に、骨が少ない・神経がない歯のトラブル・インプラント治療において、他院で「無理」と言われた患者さんを多数救ってきた実績を持つ。歯科用CTを駆使した見える治療を通じて、患者さんが安心して治療に臨めるサポートを徹底している。

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