
こんにちは。香川県高松市で咬み合わせと金属を使わない治療を専門とする「吉本歯科医院」院長の吉本彰夫です。
「昔入れた黒っぽい詰め物がアマルガムらしいと聞いて、心配になった」
「手のひらや足の裏に小さな水ぶくれができて、皮膚科で金属アレルギーかもしれないと言われた」
「アマルガムには水銀が入っていると知ったが、外したほうがいいのか分からない」
このようなお悩みで来院される方が、当院には非常に多くいらっしゃいます。そして、そのほとんどの方が「症状がないなら、そのままにしておいても問題ないだろう」とお考えになっています。しかし実際に口の中を拝見すると、アマルガムの表面に小さな穴が開いていたり、ひびが入ったり、割れていたりして、金属が溶け出している状態であることが少なくありません。
今回は、アマルガムとはどのような材料なのか、なぜ心配されるのか、そして当院がアマルガムを外す前に確かめていることをご説明します。
アマルガムとはどんな詰め物ですか
アマルガムは、虫歯を削った後に詰める金属の材料で、日本では保険診療で長く使われてきました。銀、スズ、銅、少量の亜鉛を、40〜50%の水銀で練り合わせて作られています。
見た目は黒っぽい、あるいは灰色がかった小さな詰め物で、昔の虫歯治療で入れた方が多くいらっしゃいます。当時としては一般的な処置でしたので、入っていること自体を責める必要はありません。ただ、水銀を含むという性質から、水銀中毒や金属アレルギーの原因になるのではないかと心配される方が増えています。
なぜアマルガムが心配されるのですか
結論から申し上げると、アマルガムは口の中で少しずつ劣化し、成分が溶け出す可能性があるからです。
国によって扱いが異なります
アメリカ歯科医師会(ADA)はアマルガムの水銀を問題ないとする立場をとっています。一方で、スウェーデンやドイツでは使用が禁止され、イギリスでは妊婦への使用に警告が出されています。同じ材料でも国によって判断が分かれているのが現状です。
実験室と口の中は違います
私も学生時代には「アマルガムから出る水銀より、食べ物や空気から取り込む水銀のほうが多い」と教わりました。ただ、これは実験室での条件の話です。実際の口の中では、治療した歯科医師の技術や、噛む力、唾液、温度差など、さまざまな条件によって劣化の速さが変わります。
報告では、多くのアマルガムが3年以内に劣化の兆候を示し、およそ10年後には70%が溶けて消失していたという研究もあります。当院で拝見するアマルガムも、表面にぽつぽつと穴が開いていたり、ひびが入っていたり、割れていたりすることがほとんどです。
金属アレルギーが疑われる症状にはどんなものがありますか
口の中の金属が原因となる金属アレルギーは、口の中ではなく、離れた場所に症状が出ることがあります。
- 手のひらや足の裏に小さな水ぶくれができる
- 皮膚が荒れて、なかなか治らない
- 湿疹が出たり引いたりを繰り返す
こうした症状を放置すると、胸や首、腰などの骨や関節に強い炎症が起こり、激しい痛みを伴うことがあります。湿疹などの症状が出ている方には、歯科金属アレルギーの検査をおすすめしています。
一方で、金属が溶け出していても症状のない方も多くいらっしゃいます。金属アレルギーは「なってから対策する」よりも「なる前に防ぐ」ほうが望ましい、というのが当院の考えです。
アマルガムを外すとき、材料の選び方で気をつけることは
アマルガムを外して別の材料に置き換える場合、どの材料を選ぶかは慎重に考える必要があります。
柔らかい材料には注意が必要です
保険診療で使えるコンポジットレジン(白いプラスチックの材料)は金属を含まない点では優れていますが、材料としては柔らかく、奥歯のように強い力がかかる場所では次のようなことが起こることがあります。
- 将来すり減って、咬み合わせの高さが変わる
- 高さが変わることで、顎や全身に影響が出る
- 欠けたり割れたりして、そこから虫歯が再発する
咬み合わせのバランスが何より大切です
金属を外すこと自体が目的ではなく、外した後に噛む力をきちんと受け止められる状態を作ることが目的です。治療後の詰め物や被せ物を選ぶときは、咬み合わせのバランスを整えることをもっとも大切にしています。
当院がアマルガムを外す前に確かめていること
当院では虫歯治療でアマルガムを使うことはありません。ただし、今入っているアマルガムをすぐに外すかどうかは、状態・症状・検査結果をもとにご相談して決めています。
まず今入っているアマルガムと歯の状態を確認します
表面に穴やひび、割れがないか、周りの歯に虫歯が再発していないか、金属の下の歯がどうなっているかを拝見します。溶け出している様子があれば、別の材料への置き換えをご提案します。
次に、咬み合わせ(力のかかり方)を調べます
その歯にどれくらいの力がかかっているかによって、置き換える材料の選択が変わります。強い力がかかる場所には、すり減りにくい材料を検討します。
必要な方には金属アレルギーの検査をご案内します
湿疹や皮膚の症状がある方、原因を確かめてから治療を進めたい方には、当院の紹介状で香川県立中央病院皮膚科・高松赤十字病院皮膚科のパッチテストをご案内しています。チタンについては徳島大学病院で検査が受けられます。検査結果を見て、優先して外す金属を決めます。
こんな方は一度ご相談ください
- 昔入れた黒っぽい詰め物がアマルガムかどうか知りたい
- 手のひらや足の裏に水ぶくれや湿疹が繰り返し出る
- 皮膚科で金属アレルギーの可能性を指摘された
- アマルガムを外すべきか、そのままでよいか迷っている
- 詰め物の表面が黒ずんできた、欠けてきた
- 金属を使わない材料に置き換えたいが、奥歯の強さが心配
- 妊娠を考えていて、口の中の水銀が気になる
ひとつでも当てはまる場合、原因は皮膚だけの問題ではない可能性があります。
この記事のまとめ
✅ アマルガムは銀・スズ・銅・亜鉛を40〜50%の水銀で練った詰め物で、日本では保険診療で長く使われてきました。
✅ 国によって扱いが分かれており、口の中では3年以内に劣化が始まり、10年でおよそ70%が消失したという報告もあります。
✅ 手のひらや足の裏の水ぶくれ、繰り返す湿疹は金属アレルギーのサインであることがあります。
✅ 外した後に柔らかい材料を入れると、すり減って咬み合わせが変わることがあり、材料選びには注意が必要です。
✅ 当院では、アマルガムの状態、咬み合わせ、必要に応じたパッチテストを確かめてから、外す順番と材料を決めます。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 自分の詰め物がアマルガムかどうか、どうすれば分かりますか。
A. 黒っぽい、または灰色の小さな詰め物で、20年以上前に入れたものはアマルガムの可能性があります。ただ見た目だけでは判断が難しいので、レントゲンと口の中の確認で材料を確かめることをおすすめします。
Q2. 症状がなければ、外さなくてもよいですか。
A. 症状のない方も多くいらっしゃいます。ただ、劣化して溶け出しているかどうかは症状とは別の問題です。まず今の状態を確かめたうえで、外すかどうかをご相談して決めましょう。
Q3. 放っておくとどうなりますか。
A. 穴やひびから虫歯が再発したり、溶け出した金属が体に取り込まれ続けたりする可能性があります。定期的に状態を確かめておくことをおすすめします。
Q4. 外して白い材料に替える場合、費用はどれくらいですか。
A. セラミックの詰め物は1本あたり55,000〜77,000円(税込)が目安です。保険のコンポジットレジンで対応できる場合もありますので、力のかかり方を見てご説明します。
Q5. 外すときに水銀が体に入ったりしませんか。
A. ご不安に思われる方が多い点です。外す順番や処置の進め方は、今の状態を拝見したうえで診断のときにご説明します。気になる点はお気軽にお尋ねください。
アマルガムの詰め物でお悩みの方へ
「昔入れた黒い詰め物が心配で、外すべきか迷っている」
「皮膚の症状が口の中の金属と関係あるのか知りたい」
香川県高松市をはじめ、徳島・愛媛・高知など四国各地からアマルガムや金属アレルギーのお悩みを抱えた多くの患者様が、当院にご相談にいらっしゃいます。
当院では、今入っている金属の種類と状態、咬み合わせの力のかかり方、必要に応じた皮膚科でのパッチテストを確認してから治療計画を立てます。削る量を必要最小限におさえ、再発を予防し、体に合う材料を選ぶことを大切にしています。
私は(一社)日本歯科専門医機構認定の補綴歯科専門医であり、(公社)日本補綴歯科学会認定の補綴歯科指導医として、日々このような診断を行っています。
どうぞお一人で悩まずに、ネット予約または無料メール相談よりお気軽にご相談ください。


院長プロフィール
吉本歯科医院 院長 吉本彰夫
九州大学歯学部卒業
岡山大学大学院 歯学博士(平成17年3月)
(一社)日本歯科専門医機構認定 補綴歯科専門医
(公社)日本補綴歯科学会認定 補綴歯科指導医
咬み合わせと補綴(入れ歯・被せ物・インプラントなど)を専門分野として、日々の診療にあたっております。
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